Atsuko's精神保健哲学

分析DE精神症候学、哲学者、hhK(Hospital HK)、精神保健福祉研究、哲学研究、民俗研究、ライター、謎の猟師。被虐待児や高齢者の孤立対策など地域対応ガイドラインを作成しました。精神保健と博物学が繋がり人類も有益であります様に。 Mental Health Philosophy (2020.5.11~)

精神指導の規則 ルネ デカルト

精神指導の規則

René Descartes
1596年3月31日 - 1650年2月11日

規則第一
現れ出る全ての事物について確固とした真実な判断を下すように精神を導くこと 

規則第二
確実不可疑の対象にのみ携わること 

規則第三
憶測ではない明晰かつ明白に直観し、または確実に演繹しうることを求むこと

規則第四
事物の真理を探求するには方法が必要のこと

規則第五
方法全体とは力動の順序と配置にある。単純への還元、単純から万物への認識の試行が、方法に正確に従うこと

規則第六
事物への探求として、真理を演繹し成り立つ其の単純が多い・少ない・等しい・隔たっているかの観察とのこと

規則第七
知識の完成とは、目的を連続的な途切れの無い思惟の運動を通覧し枚挙により総括すべきこと

規則第八
探求すべき事物の系列はわれらの悟性それも十分に直観せぬ出現には、そこに停まるべきこと

規則第九
精神の全能をきわめ些細・容易な事物に向け、真理を判明・明瞭に直観へ熟(こな)し、長くとどめること

規則第十
精神の推理獲得とは投影と同一化探究の習熟にて、人間の技術を些細に方法に従い通覧とのこと

規則第十一
幾つかの単純な命題の直感。其れは連続した思惟の運動の通覧、相互関係の反省、同時性で判明し把握とのこと

規則第十二
悟性、想像力、感覚、記憶の与えるすべての助力を用い、単純なる命題の判明のための直観。或いは希求と概知との正しい比較による前者への知。或いは相互比較での発見。いかなる手段をも閑却せずとのこと

規則第十三
問題の完全理解を以て、無用な表象の分離、帰着は単純化せしめ、成し得る峻別枚挙とすること

規則第十四
上の問題は物体の実像的延長へ移し、明確な図形(figura)は嘗てより判明は悟性し覚知とのこと

規則第十五
其の図形は外在化せし、我らが思惟メタ認知保持は、大抵が有益とのこと

規則第十六
精神活動緩慢時の由は、図形より詳細記号にて用いる可し。斯様なれば記憶正しく思惟の演繹向性を以て、なおの上も心に留め分散せずとのこと

規則第十七
提示される困難をば直接に通覧すべくは、或るが概知、或るは未知を度外視に相互依存を真の途に直観とのこと

規則第十八
肝心なる四法は、加法、原法、乗法、除法にて、後者ニ法は無益な錯雑を避け、操作容易の為にも屢々使わずとのこと

規則第十九
推考相異なる表現量を、未知項にて算し求なり。斯して相等しい量の比較・未知項の算で以てうるとのこと

規則第二十
方程式(aequationes)発見ののち、すべきは黙した諸ゝ操作の実行、而も除法とあらば決して乗法は用いずとのこと

規則第二十一
多数方程式あらば一つの方程式に帰着せしむべきなり。則ち、諸項が排列せられべき連比をなせる諸量系列に於いて、低段階を占める項の方程式に帰着せしむべきとのこと

於日本であれば江戸時代初期の制作
文禄四年1596.3-慶安三年1650
Descartes,Rene ルネ デカルト
1701 精神指導の規則 Amsterdam版より

参考文献
野田又夫デカルト 1950.8 『精神指導の規則』岩波文庫
児玉行多 1978 『東海道分間延絵図』